
20.OCT.2004 おとぎ話の中で

オーバーアマガウに立ち寄ったのには、もう一つ理由があった。
この町の民家やホテル、店などの壁には、フレスコ画が描かれている。
宗教画がメインだが、中には”赤ずきんちゃん”、”ヘンゼルとグレーテル”、”七匹の小ヤギ”など、童話をモチーフにした絵もある。

ストーリーの流れに沿って、ほぼ四方の壁に描かれている。
1家に、1おとぎ話し。
中でも”赤ずきんちゃん”ハウスは力が入っている。
何世紀前のものだろう、宗教画などは、かなり劣化しているものもある。
ヘンゼルとグレーテル

七匹の小ヤギ

なぜ描かれているのか分からないが、自分もおとぎ話の中の町に、いるような感覚に陥る。
友だちが、忘れ物を取りに行くためミュンヘンに戻るという。
あたしはこのまま南下して、オーストリアに抜けたい。
が。
このまま1人で戻るのは、可哀想じゃないか。
せっかく異国の地で、久々に再会したのに。
オーストリアまで一緒に行こう、と2人で決めたし。
ごはんおごってもらったし。
旅は道ずれ 世は情け
幸い、ユーレイルパスが、オーバーアマガウからオーストリアのウィーンまで一気に使えるらしい。
今日中に乗り継いでウィーンまで行けば、なんの出費もない。
結局あたしも一緒にミュンヘンに戻ることに決め、ミュンヘンからオーストリアのウィーンを目指す事にした。

19.OCT.2004 アルプスに囲まれたまち

やっぱりミュンヘンには馴染めず退屈していたので、
宿をキャンセルし、ミュンヘンより更に南にある、オーバーアマガウという街に行く事にした。
ドイツばかりじゃなんだから、と、大学の友だちも一緒に、ミュンヘンを出発した。
オーバーアマガウから更に南に行けば、オーストリアとの国境の街に出る。
このルートでオーストリアに入ろう、という事になった。

ムルナウという物凄く小さな駅で電車を乗り換える。
ムルナウ駅の後ろには、大きなアルプスが連なっている。

ドイツの田舎は山が多く、放牧風景も、オランダの平面的な草原とはまた違う。
ほんっとに山に沿って電車は走るので、右見れば崖、左見れば荒野、ととてもおもしろい。
オーバーアマガウの小さな駅に到着し、ユースホステルを目指す。
川沿いを歩いてると、目の前にたくさんのヤギたちが。
放し飼い・・・とはまた違う。
冊が低いので、みんなジャンプして、土手まで出て来てしまうのだ。

宿に荷物を置き、土手をぷらぷら。
夕方、川辺で草を食べていたヤギたちが、飼い主の声に一斉に振り返り、
なんと自分達でとたとた橋を渡りはじめた。
きれいに、一列に並んで。
バックの夕日に映える、そのヤギたちのシルエットがなんともかわいらしく、
山々に囲まれた小さな田舎町のほんわか空気が、優しく広がっていく。
そして、一匹ずつ冊をジャンプして、家へと帰っていった。
突然、友だちが、
「ビデオのバッテリーがない!!!」
と騒ぎはじめた。
どうやらミュンヘンの宿で充電したまま忘れてきたらしい。
バッテリーが付いてない事くらい、すぐ気付きそうなものだが。。。
ちょっとね、抜けてる人なのよ。
とりあえずその宿に電話をかけ、見つけたら取っておいてもらうことになった。
「俺、明日ミュンヘンに戻らないと・・・」
おぉい まじかい。
あたしは行かねーぞ。
このまま南下して、オーストリアを目指すんだい。

pen, OBERAMMERGAU

18.OCT.2004 ミュンヘン

ドイツのソーセージもめちゃうまい。
街角の至る所で売られている。
コンビニにもソーセージブースがちゃんとあって、
安いのから高級ソーセージまで、種類も豊富。
美術館は全部見てしまい、ミュンヘンの街を散策する気にもなれないので、
溜まってきた本やお土産などを、日本へ送る事にした。
オランダから送り損ねたヒンデローペンのお土産が、かなり多い。
郵便局で計ってみると、5kgちょい。
一箱5kgを超えると、一気に高くなるらしい。
3箱に分けて船便で送ると、1箱12ユーロ。
段ボール代もあわせてこの方法が一番安かった。
日本に届くのは、1〜2ヶ月後だとか。
どーせまだ帰ってないから、なんでもいーや。
ホットドックを食べながら、市場をうろうろ。
ドイツの道って、ほんとにきれいだなぁ
タバコの吸い殻が、ほとんど落ちていない。
夜、友だちが、
「もうすぐ帰るし、思ったよりお金が余ったからおごるよ」
と、レストランへ連れてってくれた。
この旅、初の、レストラン!!
ステーキ、ライス、スープ、フライドポテト、そしてビールにチーズ。
あああ ゴージャスゴージャス。
最近2種類以上、食べた事がないかも。
フライドポテトのうまさにビックリ(量にも)。すごいうまい。
じゃがいもの味がすっごくする。なにもつける必要なし。
でもやっぱ、ビールだよな。
なんでこんなにコクがあってうまいんだろう。
ビールとつまみがうまい国なんて、サイコーじゃあないですか。
ステーキは・・・めちゃめちゃ硬かったけど。

pen, MUNCHEN

17.OCT.2004 オランダからドイツへ

アムステルダムから夜行列車に乗り、一気にドイツのミュンヘンまで移動した。
ドイツはとても広く、とてもじゃないけど今回の旅だけでは回れない。
古典・近代・現代に分かれた3つの大きな美術館がある、ミュンヘンのみ行く事にした。
アムステルダムからミュンヘンまで約12時間。
小野伸二に会えたことに興奮しすぎて、ほとんど寝れなかった。

街中でいちばん大きな教会に行ってみた。
日曜教会、というのだろうか。
2階ではオーケストラが賛美歌を演奏している。
神父さんのお祈りが始まり、人もたくさん入って来た。
あたしは2階席に座り、オーケストラが奏でる朝一番の賛美歌にうっとり。
しばらくして教会を出て、目的の美術館へ。
今日は日曜日で美術館全部がタダ!
これを逃す手はないと、アルテ(古典)、ノイエ(近代)、モダン(現代)の3つの美術館全部を回る事にした。
○リサメモ美術館○
アルテ(古典)
●Hans HOLBEIN 1497-1543 ドイツ 北方ルネサンス
父も同じ名前の画家。画面の配置などにデザイン性がある。ドイツ派の代表で、現在では画材のブランド名にもなっている。
モダン(現代)
●Andreas Gursky 1955- ドイツ
写真作家。繰り返しに並んでいるもの、同じ物が集合したものなどの作品が多い。平面的な集合の中に、空間要素もあってとてもおもしろい。
●Fred Sandback 1943-2003 アメリカ
モダンにあったのは、インスタレーション作品。白壁の空間に5本の黒い紐が四方に張ってある。ものすごく計算されている配置で、どこから見ても、その紐と部屋がつくり出す空間が完璧。2次元と3次元の境目が曖昧になり、錯角を起こしそうになる。ものすごく、かっこいい。余計な物は一切排除し、とてもシンプルな構成。
ノイエはあまり面白くなく、メモを一切取らなかった。
寝不足の上、3つの美術館を回ったので、さすがに疲れた。
ふらふら歩きながら、ミュンヘンの街を散策する。
ミュンヘンは、あまり好きじゃないかも。
今まで回った街に比べて、道路もキレイだし、交通マナーもいいし、ドイツ人も礼儀正しい。
でも、全体的に整いすぎてて、つまらない。
街並は整っててキレイなんだけど、それだけ・・・。
建築様式が違うせいだろうな、街全体がカタい。
あの、混沌としたアムステルダムの街が、もうすでに懐かしい。
あの雰囲気はいったいなんだろう。
帰りたい、という気すら起こさせる。
大学時代の友人が今、一ヶ月の予定でドイツを回っている。
偶然にも出発時期が同じだったので、ドイツで会えたら会おう、と日本で言っていた。
彼のケータイに電話をかけて、今ミュンヘンにいることを伝えると、
これまた偶然にも、彼も今ミュンヘンにいるとのこと。
しかも、宿まで同じだ。
異国で友だちと会うのは、なんだか変な感じだな。
それぞれが回ってきた場所の話や、絵画の話など。
そこに日本で英語教師をしていたというアメリカ人も加わって、
3人でおいしいドイツビールを飲みながら、夜中まで、国の違い、宗教の違いなど、話していた。
ドイツビール、まじでうまい。

pen, MUNCHEN
