
9.OCT.2004 王立美術館
はれ 12日目
ヨンギョンが朝早くに宿を出ていった。
のんびり朝食を食べて、だらだら出かける準備をしていたら、掃除のおばさんが部屋に入って来た。
「どうしたの?具合が悪いの?」
おばさん達は心配そうにあたしの顔を覗き込む。
「いえ、ぜんぜん。」
そう言うと、おばさん達は笑いながら、
「ここはね、10時以降に建物の中にいちゃいけないのよ。」
とほうきをグルグル回しながら、出てけと言わんばかりに窓の外を指差した。
慌ててYHをでて、今日の目的地の場所を確認する。
ブリュッセルには大きな美術館がある。
14世紀の宗教画から、近代絵画まで。
ここには主にネーデルランド、フランドル絵画が展示されている。
年代別に並べられているので、時代に沿って見ることが出来る。
○リサメモ美術館○(アーティスト名をクリックすると作品が見れるよ!)
初めてイコンを見た。宗教絵画は日本で見れる機会が少ない。かなり劣化しているが、とても静かでキレイ。
●Dieric Bouts 1415-1475 ネーデルランド 北方ルネサンス
「オットー皇帝の裁判」がある。4枚シリーズの予定だったが作者死亡のため、2枚。
●Bosch 1450-1516 ネーデルランド 北方ルネサンス
「快楽の園」3枚綴りの宗教画がある。この時代ではかなり異色の宗教画で、地獄絵などが得意な画家。
●Lucas Cranach 1472-1553 ドイツ 北方ルネサンス
「アダムとイブ」2枚綴り。とても滑らか。イブのフォルムがキレイ。対照的に描かれていて構成がシンプル。ドイツ・ルネサンスの代表。
●Pieter Brueghel 1525-1569 フランドル 北方ルネサンス
ブリューゲルの部屋に入ると、がらりと雰囲気が変わる。これまでの宗教要素がなく、モチーフは街の風景や人々の暮らしへ移っていく。宗教画を描かない作家は、この時代やはり異色だった。近代絵画の父といわれている。
●Rubens 1577-1640 フランドル バロック
ル−ベンスの残した作品はかなり多い。サイズも大きい。ドイツ生まれだが、ベルギーのアントワープを活動の拠点にし、何年間も旅をしていた。同じ年代の画家の絵とは少し違って、タッチが大きく残っていたり、空気や光の流れがかなり意識的で、ムーブメントがある。印象派的要素があるような気がする。
★北方ルネサンス★
南のイタリア・ルネサンスに対し、北のベルギー・オランダ・ドイツあたりに発展したのが北方ルネサンス。造形的な均衡や調和より、精神性や内面性を重視する傾向にあり、フォルムを崩したものも多い。
★ネーデルランド/フランドル絵画★
毛織物工業と貿易が盛んだった、15世紀フランドル地方。ファン・エイク兄弟が油絵の技法を完成させ、一早くルネサンスが到来。このころのネーデルラント絵画はイタリア・ルネサンスに大きな影響を与えるほどだったが、16世紀後半は、逆にイタリアを手本とするようになった。
ここの王立美術館は、日にちや時間帯によって入れない部屋がある。
時間帯ならその時間が過ぎたら入れるので問題ないが、日にちや曜日だと、その日に行っても見れなかった、ということになるので、何世紀の部屋が何曜日に休みかをきちんと調べてから行った方がいい。
今日は19世紀後半の彫刻の部屋が休みで見れなかったが、他の部屋は全て見ることが出来た。
こんなにたくさんの宗教画を見たのは初めてで、おそらくこの作品の量自体、見たのも初めてなんじゃないだろうか。
ものすごい疲労感と充実感が同時に押し寄せる。
日本には、北方ルネサンスの作品はあまり来ない。
どうしても日本での人気所は、イタリア・ルネサンスやフランスの印象派だからだ。
その方が分かりやすく、また人も入るので儲かるからだろう。
もっともっと色んな作品に来てほしい。
そして、日本の人にはもっともっと絵画を感じる時間を作ってほしい。
作風がどのように変わっていくのかが、時代の流れに沿って感じることができた。
でも、あたしはまだ何も掴めてない。
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