
11.NOV.2004 優しき南イタリア

ギリシャやクロアチア方面にも船が出ている港町、バーリ。
この街から出るギリシャ行きの船には、ユーレイルパスが使える船もある。
バーリ駅から港まで30分の道のりを歩き、
ギリシャ行きの船を確認するため、いろんな旅船会社の並ぶ港前通りまで来た。
バーリからギリシャへ行く船でユーレイルが使える会社は、一軒だけ。
早速オフィスに入り、今日か明日の船でギリシャに向かいたい旨を伝えた。
しかし、ギリシャ行きの船は、明後日まで出発しない。
しかもユーレイルパスを使うため、予約することが出来ず、当日港のチケット売り場で買ってくれとのこと。
仕方ないので ぷらぷら港を歩く。
港に座っていると、カニ採りをしていたおじさんが話しかけてきた。
若いころは、かなりモテたんじゃないかと思うくらい、渋いカッコいいおじさん。
南イタリアの人たちは、みな、こうなんだろうか?
イタリア語、わからないって言っても。
ジェスチャー混じりの、イタリアーノ。
とにかく、イタリア語で話しかけてくる。
そしてみんな優しい。
さすが、ナンパの国、イタリア。(←偏見)
チケット売り場を確認して、ネットカフェに入った。
「今どこどこにいるよ!」
旅中に出会った旅人たちから、そんなメールがたくさん届いていた。
日本へ帰った旅人からは、
「東京つまらん!!!」
なんて愚痴も届いた。
このメールチェックは、旅中の一つの楽しみでもあった。
一通りメールをチェックして、今日の宿を求めて外に出た。
この街にも、少し離れたところにユースホステルがある。
電話で空きを確認して、バスに乗り込む。
いつものように、ホステルの住所と名前を見せ、
「ここで降ろしてください。」
と、運転手に頼んだ。
「はい!」
と、元気よく言ってくれた、運転手さん。
しかし、降ろされたのは、まったく別の場所だった。
その宿は、写真やホームページを見る限り、キャンプ場のような、
まわりに何もない場所のようだった。
しかし ここは思いっきり街中。
なんかおかしいな・・・と思いながらも、周りの人に宿の場所を聞いて回る。
困ったことに、英語がまったく通じない。
いや、ジェスチャーで通じてはいるが、話せないのだ。
帰ってくる答えは、イタリアーノ。
しかも、みんな知らないって。
雨風がひどくなってきた。
日はとっくに落ちていて、人通りが少ない。
日本から持ってきた折り畳み傘が 壊れた。
稲妻が光り始めた。
ザックもあたしも びしょ濡れ。
今にも泣きそうになりながら、一軒のBARに入った。
まだ開店前のようで、3人の従業員らしき強面の男たちが、カウンターで準備をしていた。
ガイドブックを見せ、ここに行きたいんだ、と説明すると
その宿に電話をかけてくれて、場所を確認してくれた。
なんだどうした、とさらに3人の男たちが寄ってきた。
みな親切にも、あーだこーだ、一生懸命説明してくれる。
しかし、全てがイタリア語で、理解できない。
中にほんとに少しだけ英単語を知ってる人がいた。
彼の説明と、図で、やっと位置関係を把握。
「タクシーは高いから、バスで行け! 12番だ!」
一人のおじさんがバス停まで連れてってくれた。
そしてバスの運転手さんに、
「このコをここで降ろしてやってくれ。」
と、そのような事を頼んでくれ、バスに乗せてくれたのだ。
そして、このやり取りを聞いていた、バスに乗っていた女の子が、宿まで連れてってくれるという。
自分もそこに泊まってるから、と。
稲光と雷雨のなか、バスは海沿いを走る。
やさしいな みんな。
彼らの助けがなかったら、いったいどうなってたんだろう。
濡れネズミで、まだ街を徘徊してたかも。
「バーリは治安がわるいから気をつけて」
イタリア人の友達に、そう言われていた。
でも、みんな、優しかった。
イタリア語が分からなくても、一生懸命、分かるまで説明しようとしてくれた。
彼らの親切に、本当に泣きそうに感謝した。
その場所に行ってみないと、結局はなにも分からないのだ。
絵に関しても、土地も、人も。
「治安が悪い」って、難しい区切りだな、と 思った。
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