リサタビ列車

−絵描きバックパッカー・リサリサの、旅は、まだまだ続く−

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13.OCT.2004 レンブラントハウス


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はれ のち くもり 16日目


今までにたまっていた洗濯物を洗濯し、昨日出会った料理人と大学生と一緒になかなか乾かない乾燥機を待ちながら、今日の予定を話していた。

彼らは今日、W杯ヨーロッパ予選のオランダvsフィンランドの試合を見に行くという。
まだチケットは買ってないらしく、これから買いに出かけるらしい。
あたしも見たい!ヨーロッパのサッカー!!!!


あたしの分のチケットも買って来てくれると言うので、チケットは彼らにお願いし、
午後からレンブラントハウスに出かけた。

○リサメモ美術館○
Rembrandt 1606-1669 オランダ バロック
オランダで生まれ、晩年にはアムステルダムに住居兼アトリエを設け、死後にはそこが自分の美術館となるように、その住居を市に提供した。
肖像画が多く、自画像も多い。


寝室や台所、アトリエや客間など、当時のまま保存されていて、壁の至る所にレンブラントの絵が飾ってある。
モチーフ置き場には、彼がデッサンなどで使っていた石膏像のアリアス、アグリッパなどが置いてある。

アリアス、アグリッパ。あたしも予備校時代に何度も描いた。

あのレンブラントも、同じモチーフを使い、ここでデッサンをしていたのかと思うと、なんとも言えない不思議な感動がじわじわと湧いて来る。

あのレンブラントも・・・

アトリエでは、当時の絵の具の作り方を説明していた。
顔料とオイルを交ぜ、青色の絵の具を作っている。

エッチングの部屋もあり、当時のプレス機もある。
道具を動かさず、当時レンブラントが使っていたままの状態で、展示されている。

キッチンには、やかんや皿などがそのまま置いてある。

頭がその時代にリンクする。
窓の外を見ると、その時代のアムステルダムの街が見えてくる。
ロッキンチェアーを見ると、パイプをくわえたレンブラントの姿が浮かび上がってくる。


昔なのか今なのか、よくわからない感覚に包まれながら、外へ出る。

足下が、ふわふわしている。

今と昔に、同時に、そして交互にトリップしているような、そんな不思議な感覚だった。




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ball-point pen,AMSTERDAM
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12.OCT.2004 カオスの街アムステルダム



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はれ 15日目


レーワルデンを出て、オランダの首都アムステルダムに来た。
アムステルダムとは文字通り、”アムステル川のダム”という意味。
アムステルダム中央駅は、東京駅の概観の見本になった駅だ。

ここは首都のくせに、華やかさがあまりない。
どちらかと言えば、ダークな、そんな香りがする街。
街自体もあまり大きくない。

大きな川がいくつかあり、それが扇状になって海へと繋がっている。
その川沿いに、古い、少し傾いてるような建物がきれいに並んでいる。


中央駅を出て、川沿いにあるユースホステルに向かった。
小さな路地がたくさんあり、そこに入ると、昼間なのに空気が重い。
流れている空気がとてもダークだ。
道もゴミや吸い殻などがたくさん落ちていて、汚い。


YHに着くと、日本人のコがレセプションで予約をしていた。

「あれ、ねえ、、もしかして、、」

顔を覗き込みながら話しかけてみると、
それは、ブリュッセルの宿で一緒だった男の子だった。

そうか。オランダにも行くって言ってたっけ。

しかし、こんなことってあるんだな。
オランダの都市は大量にあり、アムステルダムの安宿もたくさんある。
そのなかで、偶然、同じ日に同じ街に到着し、同じ時間に同じ場所に宿をとる。
しかもブリュッセルで一度話をしている人。

これはもう、必然だな。


何もしてないのに、ダークな空気を浴びたせいか、体がだるく、疲れている。
宿でだらだらした後、少し散歩に出かけよう、と外に出た。

ぷらぷら歩いていると、たくさんの球根の露店が並んでる道に出た。

オランダといえば、チューリップ。

ものすごくたくさんのチューリップの球根が売られている。
お土産に持って帰りたいところだけど。
球根類は、日本に帰った時、検疫がある。
たしか、買ったところの証明書やらなんやらが必要なはず。
めんどくさいので買うのはやめた。

スーパーに行き、夕飯の食材を買って宿に戻ると、日本人の男の子2人が座っていた。
2人はパリで出会ったらしく、1人はサッカーを見るためにヨーロッパに来ている、料理人。
もう1人は一ヶ月の予定でヨーロッパに来た、大学生。


出会った3人の日本人と一緒に夕飯を作り、その後、夜の街へと繰り出した。


アムステルダムには、有名なソープ街、”飾り窓地区”がある。
その名の通り、ブラックライトやピンクの照明に飾られた窓の向こう側に、女の人たちが下着姿で座っていて、みんなそれぞれアピールしている。

中にはお世辞にもきれいとは言えないおばさんや、巨体の人も。

まぁ 人の好みなんて、人それぞれだから
いいけどね。

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道ばたにこんなオブジェを発見。

わかるかな?
これは、いわゆる、男根、と呼ばれるモノ・・・
その横にあるタマが、水と一緒にクルクル回っている。

こんなオブジェを建てちゃうとは。さすがアムステルダム。

ハッパの香りが充満する中、アムステルダムの街を徘徊する。

なんだろう、ここの空気は、とても独特だ。
退廃的な匂いがする。
なにかのエネルギーに溢れてはいるが、混沌としている。


なにか、とても、心地いい。






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11.OCT.2004 水の町ヒンデローペン






快晴 14日目


快晴!!!
ヒンデローペンへ行く日にこんなにいい天気だなんて、なんてついてるの!!!

ここはトールペイントで有名な小さな港町、ヒンデローペン。
レーワルデンから40分ほど離れただけで、こんなに何もない、草原になる。

レーワルデンからヒンデローペンへ向かう車窓風景は、なんとも素晴らしい。
一面に草原が広がり、羊、牛、ブタ、馬などが放牧されている風景がずーっと続く。
たまに、小さな湖、家、風車などがあり、オランダの田舎風景を盛り上げている。
この先の旅で見るであろう車窓風景のなかで、もうすでにトップなんじゃないかと思わせるくらい、それは素晴らしいものだった。

ヒンデローペンに到着すると、さらに何もない駅に感動。

もちろん、無人駅。

駅以外は何もなく、羊たちが側でハモハモ草を食べている。







ポプラ並木の道を歩き、町まで向かう。
その道の途中で、何度も放牧されている羊たちに出会った。
もう、顔がにやけてしょうがない、

大好きな風景。

小さな小川がキラキラしてる。

歩いてて、なんだかとっても幸せだ。

ヒンデローペンに着くと、向こうの方に海が見えた。
小走りで海の方まで一目散。
近くには小さな港にたくさんの帆船が並んでいる。
海沿いの土手を歩いていくと、目の前に水平線が広がった。

海の側まで行き、犬の散歩をしている人たちを横目に、腰を下ろしてぼーっと海を眺める。
この先は、ずっと繋がっている。
日本にだって、繋がっている。
なにか、とても、心が大きく大きく広がっていった。



町中にはたくさんの小さな川が流れている。
川のすぐ側に、中世っぽい小さな家が並んでいる。
カモも泳いでいる。

トールペイントの美術館へ行ってみた。
小さな美術館で、あたし以外に客はいない。
ヒンデローペンは、オランダの民芸品の木靴や、家具の絵付けで有名だ。
この絵付けをしている作業風景を、案内所で頼めばみせてくれるらしいが、
あいにく今日は作業休みの日だった。

巨大木靴
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絵付けしてある様々な小物が売っている店に入った。
古い絵付けの家具などはバカ高く、とてもじゃないけど買えはしない。
日本へのお土産に、たくさんの小物と絵の具を買った。

あまりにもステキな町だったので、かなりの時間、ぷらぷらしていた。
こんな町に、住みたいな。





日が沈みはじめると風が出て来て、まわりに何もないこの町は吹きっさらし。

駅で電車を待っている時、凍えて死にそうだった。








water color,pencil,HINDELOOPEN



10.OCT.2004 レーワルデン






アムステルダムから電車で2時間くらいで、レーワルデンに到着。
目指す町はさらに北にあるのだけど、その町は、とても小さな田舎町なので、宿があるかどうか疑問だ。

交通の便がいい、途中の街のレーワルデンに宿をとる事にした。

今日はレーワルデンの観光案内所が休みだったので、”歩き方”のものすごく適当な地図を頼りに宿を探す。
案外ひらけているレーワルデンの街を、地図を見ながらふらふら歩いてると、子連れのオランダ人に声をかけられた。

「迷ったの?」

いえ、迷ったわけではないんですけど。
優しそうな人だったので、宿までの道を聞いてみた。

彼はとても紳士な態度で、分かりやすく、説明してくれた。
そして最後に、

「オランダを楽しんでね。それと、その地図、あまりよくないね」

と言って去っていった。

オランダに入って思ったんだけど、みんな普通に英語で答えてくれる。
駅員さんや電車の乗客や街の人など。
一応、オランダ語の会話集を持っているんだけど。どうやら使う事はなさそうだ。


優しいおじさんの助けもあり、目的の宿に到着。
1階はバーになっていて、そこがレセプションになる。
建物自体はかなり古く、カギもレトロで、カギ穴がら部屋の中が見える。
共同のシャワー室がかなり淀んでいて、ちょっと怖い。

いや、それよりも、トイレの便座がデカいことに驚く。

オランダ人のケツは、みんなこんなにデカいのか?

小さな東洋人は、トイレのたびに、ケツが便器に落ちないように気を付けて用を足さなければならなかった。

そしてもう一つの疑問。

トイレの棚に、マッチ箱がひとつ、置いてある。
そして、ひとつの注意書き。

”PLEASE STRIKE A MATCH AFTER YOU FINISHED HEAVY BUSINESS”

ヘビー・ビジネス?ってなんだ?

後で聞いた話、どうやら大の方を済ませたあとにマッチを摩ると、臭い匂いが消えるらしいが、まだこの時は、ヘビー・ビジネスが意味するものが全くわからなかった。







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10.OCT.2004 ベルギーからオランダへ

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はれ 13日目



昨日のメイチーとの日本語講座は夜中3時まで続いた。
朝7時の電車に乗って、アントワープ(フランダースの犬の街)またはブリュージュに寄り、ルーベンスやファン・エイクの作品を見てからオランダに入ろうと計画していた。

が。

起きたのが9時過ぎ。

電車の乗り継ぎを考えると、どーやってもアムステルダムに着くのが夜遅くなってしまう。
知らない街にはなるべく夜遅くに、着きたくない。
そっから宿探しをしなければいけないからだ。

まぁいっか。他の国でも見れるだろう。


10時ギリギリに宿を出ると、途中の道で、大きな朝市がたっていた。

おいしそうな野菜や果物・・・

このスタイルの旅をしてると、どうしても野菜不足・ビタミン不足になってしまう。

つやつやのトマトを一個買い、急いで駅に向かった。


今日からユーレイル・パスを使って、ヨーロッパを電車で回る。
ユーレイル・パスとは、EU加盟国の国鉄で有効な、日本で買える旅行者向けの鉄道パスだ。
一等席と二等席があり、25歳以下はユースの値段で買える、二等席。26歳以上は一等席になる。

あたしはこの旅中に、26歳になる。

しかし、そのユーレイル・パスを使い始める日に26歳じゃなければ、二等席のパスでOKなのだ。
あたしは日本で、3ヶ月間有効の10日間パス、”ユーレイルフレキシー・パス”を用意した。
3ヶ月の間なら、10日分好きな日に乗れる、というものだ。
このパスは、電車に乗る前に、自分で日にちを書いていく。
検察が来なければ1日分儲かる、と思って日にちをわざと書かなかったら、見つかった時の罰金がすごいらしい。

ユーレイル・パスのバリテードを受け、ちゃんと日にちを書き込んで、オランダ・アムステルダム行きの電車に乗り込んだ。


ヨーロッパの駅には、改札口がない。

切符などはすべて、車内での検察になる。

そして、日本の渋谷駅や東京駅のようにごちゃごちゃしてないので、乗りたい電車はすぐに見つけられる。


隣に座った青年が、陽気に口笛を吹いている。
楽譜をテーブルの上に置き、時折指で軽くテーブルを叩きながら、リズムをとっている。
よく見ると、楽器ケースのようなものが足下に置いてある。

「ミュージシャンなんだ。今日これから演奏会があるんだよ」

そう言って彼は楽譜を目で追いながら、イメージトレーニングを続けた。


アムステルダムの中央駅に着き、外に出てみた。
天気もとっても良くて、暖かい。
オランダの位置は、緯度でいうと結構上の方にある。
寒いんじゃないかと思い、上着を一枚、バックパックの中から出して用意していたんだけど。
いらなかったな。

オランダで、どうしても行ってみたい街があった。
それは、アムステルダムよりもさらに北の方にある。
外はまだ昼過ぎで、明るい。
ユーレイル・パスも、今日の分は1日中有効なので、まだ電車に乗れる。

ユーレイル・パスを無駄遣いしたくないので、ここからさらに北へ向かう事にした。